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社会福祉法人ポポロの会
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トムブログ

事業本部長のブログ 「トムブログ」

社会福祉専門職のストレス その2

2022-04-19
カテゴリ:トムブログ
社会福祉法人のスタッフが抱くストレス 2

社会福祉法人のスタッフが抱く自身で解決不可能なストレスは概ね以下の2点だと考えています。(あくまでも私見ですが)
    世襲の体制で法人の主な役職が占められる
    人員不足が慢性化し、支援の質が上がらない
上記の①の問題は、社会福祉法人の成り立ちが、理事長一族の私財を投入して始まった社会福祉法人の事業について言えば致し方ないことかもわかりませんが、主だった役職に力のない人材が付くと法人は大きな影響を受けます。法人経営から利用者支援にまで影響を与えるのは必至です。入職して力量を付けたスタッフは、課題を十分理解でき、大きなストレスを抱えることになります。法人内での自分の位置が当然不安定だと感じることもあるでしょう。また、理事長一族からしても好ましい存在とはならないことは言うまでもありません。解決策は、民主的で合理的な運営形態を作ることしかありません。もっと言うなら、民主的な経営ができない法人はすべてのスタッフを身内で占めるぐらいの覚悟をするべきです。また、一族経営で、働き甲斐の無い法人だと判断したスタッフは、さっさと次の職場を探す方が合理的だと考えます。(少し過激な文章になっていますが・・。あくまで私見だとお許しいただきたいと希望します)
次に②の課題は、どのような組織にも小さな矛盾は存在します。問題があっても合理的に解決できない事案もあるのが福祉現場であると思います。このことにつては別の機会に事例をあげて説明したいと考えています。要するに福祉現場では必ずハプニングは起こります。このハプニングをどのように解決するかが現場の力だと言え、支援の質につながることだと考えています。この問題解決の過程が合理的で民主的なシステムが構築されていないと、スタッフは大きな矛盾に直面し、ストレスを感じます。この問題の多くは公立の福祉事業所より社会福祉法人の人員配置が概ね低く設定されているので、人材不足になっていることに起因することが多いと考えています。(諸外国の福祉事業所の人員配置を調べていて驚いたことがあります)日本の高齢者の介護施設の配置基準は3:1以上となっていますが、現在は4:1に規制を緩和する案が出ています。ICTの導入を前提とした議論ですが、実態としての人員不足が叫ばれている現状からすると乖離した案であることは言うに及びません。  
社会福祉法人の仕組みは国にとっては決して安上がり福祉サービスの提供主体であってはいけないと思います。諸外国の福祉サービスが公立であるのに対して、日本は社会福祉法人が福祉サービスの担い手になっているのは日本の固有の仕組みだと思います。その社会福祉法人の仕組みを十分に生かすためには人員基準に配慮し、福祉事業スタッフの処遇改善が確実に必要な課題です。

ちなみに社会福祉法人の仕組みが出来上がった歴史を辿ると概ね以下の通りで、決して安上がりな福祉事業主体ではなことが分かります。
社会福祉法人は昭和26年に制定された社会福祉事業法(現在の社会福祉法)によって創設されました。敗戦直後から整備が進まなかった国の社会保障・福祉事業を代替する存在として、それまで細々と個人や任意団体の善意によって運営されてきた社会福祉施設等に公的資金が投入することができる制度が創設された。このことによって運営基盤が安定することになったが、公的資金が投入されたことにより必然的に「公の支配」を受けることになったことは言うまでもありません。この制度の創設が国に代わって多くの福祉事業を行う存在として現在の社会福祉法人が地域社会に定着したと言ってよいと思います。
平成29年10月31日現在、20,645という社会福祉法人が存在するに至り、我が国の社会福祉事業の中心的存在だと言える。
社会福祉法人の設立はほとんどが民間の篤志家の個人財産を元に設立され、運営されています。但し、建築資金等は大半は借入でその返済は通常、事業運営資金の一部が充てられていることも申し添えておきます。


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